一人以外全部去るとき

「侵食を葬る」特集にようこそ! 今週は、ふるよにが生まれて以来最大の変革についてのお話だ。
既に諸君もご存知の通り、今年の夏に発売される拡張より、ウツロは2つのカードのみのメガミになる。すなわち、円月、虚偽だ。
侵食はメガミの特性から退席し、そこに列するカードたちは、未来のゲームから永久に除外されることになる。
この改革は、第伍拡張に端を発し、以降の拡張において段階的に実行に移され、まもなく詳細が発表される”すんげえヤバい”拡張セット(侵食を見送る盛大なお別れパーティーになるだろう)をもって完了となる。

 

…という冗談はさておきこんにちは。隠居中のしゃぺろんです。

今回はウツロのサブ特性とでもいうべき「侵食」について、歴史なんかも軽く交えつつ語っていきます。

侵食の今昔

侵食はウツロの特徴として、新幕から取り入れられました。では第二幕まではどうだったのか?というと、現在でいう《蝕みの塵》が《刈取り》のかわりに入っている状態でした。もちろん《重圧》もありません。

侵食がどのように発明されたかは、公式ブログに綴られています。ダストを作りやすくするため、そして相手に選択をさせることが(魔王である)ウツロに合っているということからです。

bfpblog.bakafire.main.jp

また後編の記事によれば、初期の侵食は過小評価されていたそう。実際、数シーズン前までは現在のスペックで普通に使えていた(主観)ので、正しかったのだと思います。

bfpblog.bakafire.main.jp

さて、そんな侵食ですが、インフレと研究の進んだ現在はどうか。筆者自身は長らく決闘していませんが、最後にやっていた時点の結論からして完全な力不足でした。おそらくそれは今も変わってはいないでしょう。違ったらご連絡ください。

これは、一体どういうことなのでしょうか。

侵食1 vs 1/1攻撃

侵食とは、相手にダメージの受け方を選択させる効果です。…が、ここでひとつ思い出しましょう。ふるよにというゲームでは、攻撃の受け方はそもそも受け手が決めます。そこで、最も近しいであろう1/1攻撃と比較してみます。それぞれ、この中から相手が1つ選ぶことになるでしょう。

1/1攻撃

・オーラ→ダスト:1 ・ライフ→フレア:1

侵食1

・オーラ→ダスト:1 ・ライフ→ダスト:1 ・フレア→ダスト:1

 

ご覧のとおり、受け手の選択肢が単純に増えてしまっています。1/1をライフ受けするのは基本的に生死が掛かった状態でしょうから、ライフ受けでフレアが増えないのは半分死にテキストです。なんならその状態でも、大抵はライフ受けせずに済んでしまいます(たとえば暁を構えた相手からどっちを喰らいたいか、という話です)。

しかるに侵食1は、ダメージの信頼性としては1/1のほぼ下位互換です。間違っても「フレアを壊せる場合もある通常攻撃」などと考えてはいけません。

フレア価値の下落

ならば、なぜそんな侵食が(ある時期まで)普通に使えたのかという疑問が当然出ます。答えは単純で、そうそう簡単にはフレアを差し出すことができず、またこちらには不意打ち気味にフレアを増やされないというメリットがあったから。つまり、フレアの価値が高かったということです。

わかりやすい例として基本四柱から、切札を一部ピックアップしてみましょう。

基本セットのメガミはすべて必殺技として、消費の重い切札を持っていました。達人セットも多くのメガミがゆらりび、森羅判証など大型を持っています。

さて、ここで問題です。消費5以上の切札を持つメガミ、新しい順に3柱挙げてください。アナザーは含めません。さぁ走って!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:カムヰ(灯、暁)、ミズキ(天主八龍閣、鬨の声)、ヤツハ(星の海)

おわかりいただけただろうか。ヤツハの登場から早いことに4年経ちますが、大型切札持ちはわずか2柱しか追加されていないのです。おまけにその2柱も当該の切札は滅多に使いません。そして他の切札の消費はすべて4以下、せいぜい中型くらいの消費です。

もはや初手宿しを妨害したとしても、ライフ6の頃には十分なフレアが整っています。リーサルターンの宿しまで考慮すると、もはやフレア2~3ですら安心できないメガミも増えました。ウバラハドマ、主にお前のことです。

これと通常札や固有ボードのインフレが重なり、最近のメガミは多少フレアを差し出しても問題なくなってしまいました。まさに侵食が通常攻撃未満になった瞬間です。

回復力のインフレ

最近のメガミ、というか最新の二柱は、オーラの回復力も段違いです。

 ◀すべてがおかしい皆さん

わざわざ比較対象を持ってくるまでもなく、インフレの急速な進行が示されています。そもそも近年まで通常行動札は移動札や対応がほとんどで、脳死で使えるような纏いのかさ増しはほぼ存在しなかったのです。なんとホノカすら持ってません。

行動札によるほぼ無条件でのAPのかさ増しが増えると、さて、環境や強いデザインはどうなるでしょうか。オーラ5を一瞬で突破して殺せる瞬間火力(例:鋸)や、3/1、-/1のようなオーラ受けしづらい攻撃を大量に抱える(例:剣、算)というのが主流になるのではないでしょうか。

特に前者はフレアを与えないため、高フレアメガミの更なる凋落を招きました。もはや月影落は環境にほぼいません。そしてそれは、侵食の刺さる対象が消えたということでもあります。

侵食を救うには

そんなわけで、現代ふるよににおいて、侵食はほぼ完全な死に特性となりました。すなわちウツロらしいゲーム体験を支える柱が消えたということです。これは実にもったいない。そんなわけで侵食を実戦的なレベルに戻す方法を考えてみましょう。

※以下の調整案のような何かはたぶん世界を壊すので話半分程度にお考えください。念のため。

通常攻撃との差別化

まず真っ先に考えねばならないのはここでしょう。「フレアでも受けられる弱い攻撃」のままでは、そもそも体験としてあまりに弱いです。

また、侵食は他のTCGでいう、布告除去としての性質を強く持ちます。ならばそれと同じ路線の強化は方法として順当なものでしょう。

というわけでまずは対象を絞り、受け方を狭めます。

真・侵食X:相手は自身のオーラ、フレア、ライフから桜花結晶をX個ダストに送る。

これならフレアの枯渇が即座にライフダメージとなり、単なる前進にも負けず、オーラを貫通する攻撃として円月や灰滅と同様の特色ができます。初手重圧でライフが溶けそうですが間合制限でもつけておけば大丈夫でしょう。たぶん。

数の暴力

もうひとつの強化路線は、弱いならば数で攻めるというものです。塵を積もらせて山にするのに、1巡で3侵食ではとても足りません。魔食の最低値0なんてもってのほか。というわけでちょちょいと既存カードをいじってみましょう。

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刈取り:射程3-4。侵食2を行う。間合4ならば追加で侵食1を行う。

重圧(案1):侵食2を行う。灰塵:畏縮させる。

重圧(案2):侵食1を行う。灰塵:畏縮させる。【常時】自ターン開始時、これを捨て札から使用してもよい。そうしたら、これを伏せ札にする。

遺灰呪:【展開時】侵食3を行う。【破棄時】灰塵:侵食3を行う。

魔食:自ターン開始時、侵食1を行う。

(4/30:重圧(案2)を思いついたので追加。)

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正直やりすぎたと思っている。すまん。

ただ遺灰呪に関しては基本的に終盤、かつ守りも固められない全力カードですし、通ったら勝ちくらいのことをやってもいい気はします。魔食は公式で語られたボツ案そのままですが、現代なら大丈夫なのではないでしょうか。違いますか、どこぞの商売人さん?

 ◀真・魔食(消費1)

リソース系のナーフ

ここまでの案ですが、ひとつ落とし穴があります。現代メガミに通じるレベルの侵食は、それ以前のメガミには更に強く効いてしまうのです。これでは更なるインフレは避けられません。

というわけでインフレの原因そのものをぶっ潰してしまいましょう。ついでに一部切札の消費も上昇させたいところですが、今回は省略。

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断行:纏いを1回行う。その後、集中力を1支払って纏い以外の基本動作を1回行ってもよい。

金屑纏い:纏いを2回行う。両者のオーラまたはフレアに裂傷を1与える。

投機:自オーラ→フロー:2 または ダスト→自オーラ:2

直接金融:【展開時】相オーラ自オーラ:1

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リソース面で問題児っぽいのをまとめてナーフしてみました。断行がとばっちり面してますが十分に問題児です。とはいえ単純にリソースが多すぎるのを消しただけなので、ゲーム体験としても酷いことにはならないと思います。きちんとカードを伏せて纏いましょう。

それにしてもアキナはともかく、どう見ても自らリソースを使い潰すシスイにこんなのが配られたのは何故なのか…。

おわりに

最後までこの老害じみた記事をご覧いただき、ありがとうございました。最近のウツロは円月(と虚偽)しか採用されないと度々耳にしましたが、これで円月のバフが来ていなかったらと思うと寒気しかしませんね。

なお今回は侵食をボロクソに批評しましたが、もし侵食を強く使えているデッキ等ありましたら、是非ともご連絡ください。とても喜びますしなんならナーフ情報を待たずに復帰するかもしれません

 

ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME

https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html